レコードプレーヤーのアースループ対策(実践編)
- elecgnd
- 3月24日
- 読了時間: 3分
更新日:18 分前
アンバランス接続機器をシャーシアースするためには、アースループを避けるために手間をかける必要があります。
典型的な例はレコードプレーヤーだと思いますので実践してみます。
機種はDENON DP-29Fになります。
まず信号ケーブルがどうなっているのかが、とても大切です。
この機種はケーブルが本体に直付けですので内部にアクセスし、半田で基板からケーブルを剥がします。
ケーブルはLとRがそれぞれ一芯(HOT)&シールド(COLD)。
COLDはLR共通でアース(GND)線と束ねてありました。
ケーブルが本体に直付けのレコードプレーヤーはこのタイプが主流と思います。
(※現行のDP-29Fはアース線が省略されているようです。)
重要なのはこのアース端子はCOLDと直接結線されているので電流が流れやすく、シャーシアースの端子としては使えないという事です。
本来の使い方はハムノイズ防止で接続先のプリメインアンプや、フォノアンプに繋ぐためですので、その場合はマニュアル通りで問題ありません。
ただ接続先のアンプでアースをとってしまうと"共通インピーダンス"というノイズになりますので、アンプのほうもシャーシアースを避けなくてはならなくなります。
アンプもプレーヤーもシャーシアースしつつグラウンドループを避けるにはシールド(GND)に電流が流れる事を避ける必要があります。(バランス接続でループを気にしなくても良いのはシールドに電流が流れないからです。)
が、ケーブルが一芯(HOT)&シールド(COLD/GND)でそれを避けようとすると信号が
流せませんので、ケーブルを二芯(HOT・COLD)&シールド(GND)に変更し、シールドをアンプかプレーヤーのどちらかだけに接続することでグラウンドループ(GNDに電流が流れること)を避けます。

汚いですが・・・
基板はレコードプレーヤーのものです。
二芯&シールドのケーブルを使用し、シールドはプレーヤ側には繋がず、HOT/COLDだけを従来と同じところに繋ぎました。(Lに白い線が行ってるように見えますが、撮影の不手際です。ダミーのプラスチック線が被ってるだけです。)
基盤上にL・G・Rと表記がありますがG(グラウンド)がリターン回路です。リターンはLR共通ですのでGにはLとRのCOLDが二本同じ箇所に接続となっています。
元々の配線ではGのところにアース線も結線されていましたが、基板上のリターン回路なのでシャーシアースには不適です。
アナログ機器の内部配線はどこか一点でリターン回路がシャーシに接続されているはずですので、機器の外部に適切なGND端子がない場合、シャーシアースの端子はそこから取ります。

ターンテーブルの直下にリターン回路がアースされている箇所がありました。
シャーシアースに使う線を通して金属板に接続します。中心のシャフトとも導通しており、ここを通じてターンテーブルもアースされる形になっています。

中央に行っている赤い線がシャーシアース用に追加した線です。
これでレコードプレーヤーとアンプをそれぞれアースしつつ接続しても、いわゆるアースループによるノイズは避けられるものと思います。
※今回のようなタイプは、シャーシアースが難しい部類だと思います。面倒なケースを取り上げましたが、RCAのメス端子とシャーシにFG(フレームグラウンド)端子を備えたプレーヤーであれば、信号線の処理だけで済むかと思います。
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